有限会社吉田研磨工業
BtoBの商圏拡大とBtoC市場への参入に挑戦し、
コロナ禍にして過去最高売上を実現!
相談のきっかけ
売上拡大のため、新規の研磨加工案件を増やしたい
岩手県唯一の産業用刃物研磨加工の企業。オンリーワン企業のため古くからのリピート客に支えられ経営は比較的堅調である。
令和元年に事業を継いだ相談者は、先代が築いた現状に満足することなくさらなる売上拡大を目指したい意欲はあったが、自社の技術力には自信を持ちつつも、それを新規顧客獲得にどうつなげていけばいいか分からず悩んでいた。ということで、以前から様々な相談対応を行なっていたCOへの相談に至った。
課題整理・分析
受注型ビジネスから攻めのビジネスへの転換が課題
COは同社の取引先の所在地や営業状況を分析。すると、取引先は岩手県中心で、ほぼ既存顧客からの定期的なオーダーに対応する受け身のビジネスになっており、新規顧客開拓については動きが弱いことがわかった。
売上拡大に向けては、これまで接触してこなかった岩手県内の企業や近隣他県の企業に広く自社提供価値を伝えることが必要と判断。また、主な受注は産業用刃物の研磨加工というBtoB案件であるが、飲食店や個人からの「包丁研ぎ」といった生活に近い研磨案件も少なからずあり、BtoC市場の開拓にも可能性があると判断した。
そこで、「新規顧客開拓」「自社提供価値の伝達」「BtoC案件の開拓」をテーマ設定し、取り組むことにした。
解決策の提案と実施
SNSと社屋メディアで「研磨領域の広さ」と「BtoC向けサービス」を発信
まずは「自社提供価値の伝達」を実現するために、facebookによるプロモーションを企画。研磨案件を受注するたびに「研磨前」と「研磨後」の刃物の写真を撮影し、「ビフォアー」「アフター」と表示して掲載するよう提案した。相談者は産業用、家庭用問わず、受注した案件すべてを撮影。1年以上にわたり100事例以上の掲載を地道に続けている。Facebookでは合間合間に「割るぞうくん」等自社開発商品の告知も組み込んだ。一方、「BtoC案件の開拓」については、コロナ禍による巣ごもりで家庭での調理頻度が上がることにより包丁の研磨ニーズが増えると考え、自社メディアによる「包丁研ぎますプロモーション」を提案。自社社屋の窓をメディアに見立てて、「包丁研ぎます」と表示したA3版のポスターを作成し掲出した。COはFacebookとポスターの表現についてもきめ細かくアドバイスを行なった。
支援の成果
直接経費ほぼゼロ円で、コロナ禍でも過去最高売上
こうして実施したFacebookプロモーションにより、県内県外からの受注が徐々に増加。「今まであきらめていた部品の研磨も可能だということがわかった」といった自社提供価値が届いた証拠となる声も拾えた。また、「包丁研ぎますプロモーション」は事業所の近隣はもとより、口コミによって盛岡市内から広く受注が発生。以上の取り組みにより、売上は前年比約120%増を達成。コロナ禍の中で、過去最高となる実績を記録した。
◎相談者の声
COは、いつも弊社の現状に即した、具体的で実行しやすい提案をしてくださいます。Facebookや社屋の窓を使った今回の取り組みも、空き時間に手軽にできることだったので毎日続けることができました。そして、親身になって丁寧に指導し続けていただいたおかげで着実に成果に結びつきました。心から感謝しております。
◎岩手よろず支援のポイント
相談者は確かな研磨技術はあるものの、企画力、資金力は弱く、取り組みに高いスキルや経費が必要となるものは負担が大きく挫折を招きやすいと考えた。そこで、毎日更新しても負担を感じないFacebookの表現や自社社屋をメディアととらえたミニマムな提案を心掛けた。相談者が長期間取り組みを続けられたのは、こうした配慮とともに、実施したことへの成果をすぐに実感できたことが要因であると考えている。
担当コーディネーター:佐藤 和也CO
有限会社吉田研磨工業
◎代表者名/北田 春美
◎住所/岩手県盛岡市浅岸2丁目14-15 ◎電話番号/019-622-0241