元祖ジャンボ焼き鳥 鳥喜
コロナ禍で売上消滅。ネット通販に挑戦し3年、過去最高売上を実現!
相談のきっかけ
どうやって暮らしていけばいいのか…途方に暮れよろず支援拠点へ。
事業者は、平成20年、盛岡競馬場の屋台村にて「元祖ジャンボ焼き鳥 鳥喜」を夫婦で開業。主力商品のジャンボ焼き鳥は盛岡競馬場の名物となっており、多くの固定ファンがいる。リーマンショック、大震災、岩手競馬の薬物不正等、いくつもの困難を乗り越えて経営も安定していた。しかし新型コロナウイルス感染拡大によって岩手競馬が無観客で運営されることになり営業休止に追い込まれた。
令和2年4月。コロナ禍により突然襲った売上ゼロの大ピンチ。幼子3人を抱え、今後の生活への不安が急速に膨らむ。仕入れ代金の支払い、家賃の支払い、生活費の確保などなど…、給付金は一時しのぎにしかならない。子供たちのための学資保険も解約。「廃業」の二文字が頭をよぎる。ご主人は急場をしのぐため工場の期間従業員として働こうと動き始める。一方、奥様は藁にもすがる思いで、友人に紹介された岩手県よろず支援拠点のドアを叩いた。
課題整理・分析
競馬場以外の販路がない、通販等のスキルもない。
現状を分析すると課題は明らかだった。それは、競馬場以外に売場を持っていないこと。市内中心部に店舗を借りることも検討したが、新たな店舗開設には多額の資金が必要となる。また、対面販売は感染リスクがあることに変わりがないため断念。当時行われていた「もりおかテイクアウトプロジェクト」等の販売イベントへの出店も検討したが、品質管理や衛生管理上の観点から見送った。さまざま検討の末、行きついたのがネット通販。未経験ではあったが、ここに活路を見出すほか選択肢はなかった。幸い、相談者の商品には熱烈なファンがいる。多くのファンに相談者の窮状を伝えるとともに、ネット通販サイトの開設に向けて頑張ろう! 相談者と話し合い、「通販サイトの新設」、「通販に必要な惣菜免許の取得」、市場に伝えるための「プレスリリースによるメディアプロモーション」「自社ホームページの作成」「SNSプロモーション」「チラシ作成」を課題として設定し取り組むことにした。
解決策の提案と実施
一日でも早くネット通販をスタートできるよう徹底的に伴走支援。
ネット通販と各種プロモーションに取り組むことを決めたものの、問題は、設定課題すべてに相談者のスキルがないことだった。そこで、未経験でも開設が容易な通販サイトの選定から、ホームページ作成、チラシ作成、SNSの開設まで、COが徹底的に伴走支援することにした。一日でも早く通販を始めないと状況は悪くなるばかり。すべてにスピードが必要とされた。さっそく通販サイトの検討を始め、地元新聞社によるサポートが期待できる「47club」を選定。相談者はすぐにサイト開設に取り組みながら、保健所への「惣菜免許の申請」にも動いた。同時にCOと「プレスリリース作成」「自社ホームページ作成」「SNS開設」「チラシ作成」に取り組む。拠点においでになる時間も作れないため、COと相談者はオンラインや電話を使って、時間や曜日に関係なく打ち合わせを密にした。その結果、取り組みから1か月も経たずにネット通販がスタート。新聞記事で紹介されたこともあり、すぐさま注文が入り出した。
支援の成果
通販開始1カ月で売上100万円突破!今やコロナ前の150%超の売上に!
プレスリリースによる新聞記事やSNSを通じて、相談者がネット通販を始めたことが確実に伝わり、スタート直後から注文が殺到。1カ月で売上100万円を達成した。また、状況を知ったショッピングセンター、産直、百貨店などから取り引きの申し出が相次ぎ、県内外8カ所以上で委託販売がスタート。さらに、TBSなどのテレビ番組で紹介されたことで、通販の受注先は一気に全国へと拡がった。その結果、通販開始から3年後の現在、競馬場での販売も復活したこともあり、コロナ禍前の150%を超える売上となり、さらに伸長する勢いを維持している。
◎相談者の声
あの時、追い詰められた私たちを、まるで自分事のように親身になってサポートしてくれたよろず支援拠点。ネット通販など、以前は出来なかったことを出来るよう導いてくれたことで、競馬開催月に関係なく売上が1年を通して安定するようになりました。コロナ禍によるよろず支援拠点との出会いは、私たちのビジネスにとって大きな転換点になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。
◎岩手よろず支援のポイント
精神的にも肉体的にも資金的にも追い込まれていた相談者。ネット通販など、やるべきことに確信は持っていたが、すべて未経験なため不安が大きかった。そこで、COは「助言は丁寧でわかりやすく、各制作物の内容は超シンプルに」をモットーに、スキル不足による不安の軽減に努めたが、真の成功要因は相談者の頑張りにあった。通販サイト開設、プレスリリース作成をはじめとした気の遠くなるような作業をわずか1カ月で仕上げた相談者のスピーディな実行力こそ、成果に結びついた大きな要因であると感じている。
担当コーディネーター:佐藤 和也CO
元祖ジャンボ焼き鳥 鳥喜
◎代表者名/喜 良彦
◎住所/岩手県盛岡市新庄上八木田10番地 盛岡競馬場
◎電話番号/019-626-11776
◎HPアドレス/https://www.instagram.com/ganso_jumboyakitori