株式会社エヅリコ・エンジニアリング
受注30%増でも納期遵守率18%UP!効率的生産体制への挑戦

相談のきっかけ
大型投資の次の一手、真に効率的な生産体制を目指して
実施機関による伴走支援事業の案内から公募により申し込みがあったことが、相談のきっかけとなった。この申し込みの前から2023年まで、大型の投資を積極的に行い、競争力を向上するための生産設備の導入が整いつつあった。 一方、設備だけでなくAIやITを活用しながら、生産計画や人材育成といった仕組み作りも進めないと真に効率的な生産体制は実現できないと考えていたが、具体的に何から手をつけていいのか明確になっていなかった。
課題
超多忙な状況での取り組み、課題は抽象的なプランの具体化
相談者は令和4年度に当拠点の支援を受けてアクションプランを作成、会社全体として、人と設備のリソースの分配、生産管理システムの構築、設備投資、増員計画、各製造工程では、数年後のビジョンや人材育成の見直しがあげられていた。令和5年度4月の時点で設備投資、増員計画のような具体的なプランへの取り組みは既に着手していたが、その他の抽象的なプランは未着手で、これらを具体化・実行可能にすることが課題の本質と言えた。
経営状況は、「大型投資を行ったため、売上げは増えているが今期の利益は少ない」という予測だったが、令和5年6~10月頃は生産能力を上回る受注が入り、製造現場は「超多忙」という状況になっていた。
支援内容
3人のCOの視点で具体的・効果的なチーム支援を実施
令和5年度から、千田、鈴木、佐藤(睦)の3名のCOによるチーム支援の体制となり、まず、アクションプランの内容を分析、「全ての課題を生産計画システム作成のための準備として位置付けること」を提案した。これに基づき相談者とディスカッションを行い、「多能工化とその実現のための教育」「生産能力を下げないための品質管理」「作業効率化のための改善活動」の3つの方針でボトルネックの解消と人材育成・不良の削減に取り組むこととなった。 また、過去最高の受注で忙しいため、「作業者のメモを教育資料に使用」「取得済の品質データを見える化に活用」といった小さな労力で効果の出やすい提案を行った。

支援の成果
過去最高の売上の中、納期遵守率の劇的向上を実現
令和6年度に入り、板金工程の受注増があり単月での過去最高の売上(30%増)を記録したが、納期遵守率は前年の78%から96%に向上。塗装工程の不良発生状況も前年同時期比で100件/月(55%減)となり、改善による定性的な成果が定量的な成果として現れはじめている。 今年度は生産管理システムの開発に着手、アクションプランの完了に近づくと共に、自動機の停止撲滅といった自主的な改善活動も加速している。
製造業において、生産能力を超える受注の中で改善活動を行うことは非常に困難なことで、当然、相談者の皆さんの努力がなければ不可能だったが、CO側もできるだけ相談者の負担にならない方法を工夫した。相談のきっかけは伴走支援事業であり、事業自体は令和5年度末で終了したものの、毎月の定例相談はオンラインで継続しながらアクションプランの完了を目指している。本文では、文字数の都合から製造工程の改善にしか触れていないが、並行してキャッシュフローなど財務・経営に関する相談も行われており、文字通り「チーム支援」による課題解決となった。
支援のポイント
菊池工場長が全体を俯瞰しながら各課題に対して腹案を持っており、他の3名の相談者も課題解決に能動的なことからディスカッションや事例紹介に重点を置いた。
相談者の声
3名のCOの皆様に現状を見て頂き、色々な視点からのヒントや考え方、方法を教えて頂きました。導入した最新の設備と、積み重ねてきた熟練技、そこに新たな仕組みを加えていくことで、生産性の向上と管理体質の強化に繋がったと感じております。まだ道半ばとなります。今後ともご支援を頂きたく宜しくお願い致します。
株式会社エヅリコ・エンジニアリング
◎代表者名/代表取締役 菊池 公二郎
◎住所/岩手県北上市滑田20地割111番地1
◎HPアドレス/https://www.e-eg.co.jp/